ガーWoL

求めるもの(FF1)

                 2021.9/05「私にこの感情は良くわからない。それでも、おまえの傍に寄り添いたいと思っている」「……」 儂の記憶を戻してくれたこと、そしてこの世界でともに住まうことに対しての、一世一代の告白の返しは微妙…

星の下で(FF1)

                 2021.6/12「こっちだ」 コーネリアの近くにある湖のほとりで、手を振るウォーリアに怒られたのが数刻前のことであった。 怒りの鎮まらぬ様子のウォーリアが湖へ行こうと誘ってきたのは、儂のことを気にかけてく…

告白の行方(FF1)

                2021.6/06「ウォーリア。この世界でも、儂とともに──」「……」 これまでにない勇気を振りしぼり、ガーランドは一世一代ともいえる告白を行った。だが、ウォーリアは表情を曇らせて、ガーランドから離れていく。…

四月二十二日(FF1)

                2021.4/22「良い夫婦?」 目の前にいる青年──ウォーリアに言われ、ガーランドは返答に窮した。この青年がなにを伝えようとしているのか……いわゆる〝いい夫婦の日〟である十一月二十二日と間違えているのか、勘…

春の雷(FF1)

                2021.4/18「……すごいな」 昼過ぎから降りだした雨は夜になるころに冷たい雨へと変化した。それだけではなく、雷まで連れてきた。「この季節に珍しい」 ウォーリアは暖かな部屋の中から窓の外を見て、轟く雷鳴に…

繋いだ手(FF1)

                2020.1/23……寒い。 ふたりで歩く夜の街道で、急に風が吹き荒れた。あまりの強風と風の冷たさに、私は思わずガーランドの手首を取ってぎゅっと掴んでしまった。本当は手のひらが良かったけど、恥ずかしくて躊躇っ…

手料理(FF1)

                2020.1/16「お前が作ったのか?」「そうだ。だが……」 ウォーリアに料理を振る舞われ、ガーランドは引いていた。見た目は良くないし、少し火が通り過ぎている気がする。 意を決し、ガーランドはぱくりと頬張った…

約束の指輪(FF1)

                2020.1/03「ここは?」 知らない世界の綺麗な花の咲く場所に、ウォーリアは立っていた。 さあぁと風が吹くと、花びらが舞う。美しい風景にウォーリアが魅入っていると、いないはずのガーランドに左手をとられた。…

「セックスしなければ出られない部屋」に単身で放り込まれ、「誰でももう一人呼ぶことができる」と説明を受けてどうするか(DFF)

                 2021.7/04「──で、何故儂が呼ばれる必要がある」 宿敵の青年に呼び出され、いそいそと向かった先にある部屋に入ってみたものの、その部屋の扉はすぐに閉められて数分が経過した。 その間に儂は青年から件の説…

心をときめかさないと出られない部屋(DFF)

                 2021.2/06 ガーランドとウォーリアオブライト──ウォーリアは、なにもない部屋に閉じ込められていた。部屋の壁には【キュンとすると扉が開く】と書かれた紙が一枚だけ貼られている。「は?」 ガーランドは唖然…

爪を合計二十五個差しださないと出られない部屋(DFF)

                2020.10/30「これは……」「そうだな」 うっかりこの部屋に入ってしまったガーランドとウォーリアオブライト──ウォーリアは、差しだされた条件にふたりして顎に手をつき、同じ向きに仲良く頭を傾げていた。 悩…

どちらかが相手を泣かさないと出られない部屋(DFF)

                 2020.10/26「……」 どちらかが、泣く……か。ガーランドは腕を組み逡巡した。顔を動かすことなく、隣に佇む青年の様子を窺う。 元から整った美しい顔立ち、多少傷んではいるが、手入れさえすれば撫で心地の良…