2020.1/16
「お前が作ったのか?」
「そうだ。だが……」
ウォーリアに料理を振る舞われ、ガーランドは引いていた。見た目は良くないし、少し火が通り過ぎている気がする。
意を決し、ガーランドはぱくりと頬張った。意外にも優しい味がして、ガーランドは目を疑った。見た目の悪さから、味は良くないものだと思い込んでいたからだった。
「あまり美味しくはないと思う。無理して食べずとも」
ウォーリアはどこかしゅんとしている。普段の揺るぎない青年からすれば、大変珍しい表情だった。
ガーランドはくっと嗤う。この程度で不安がるようでは、まだ想いは伝わっていないらしい。不器用で鈍い青年にわからせるにはどうすればよいか……ガーランドは思案する。
「毎日、作ってくれるか? 儂はお前の手料理が食いたい」
「……っ、」
びっくりしたような表情を見せ、こくりと頷くウォーリアをガーランドは抱きしめた。意味は理解してくれたかわからないが、ガーランドの伝えたいことは届いたようだった。
「ありがとう、ガーランド」
小さく囁くウォーリアの声を、ガーランドはしっかりと耳に入れた。
──了