2021.9/05
「私にこの感情は良くわからない。それでも、おまえの傍に寄り添いたいと思っている」
「……」
儂の記憶を戻してくれたこと、そしてこの世界でともに住まうことに対しての、一世一代の告白の返しは微妙なものだった。それでも、否定的な言葉ではなかった。ウォーリア本人が儂と寄り添いたいと言うのなら、それでも良いと……このときは思った。
そうして、まもなくしてウォーリアと身を繋げることになった。この、なにも生み出さない同性同士の性行為に意味はない。そこにあるのは、互いに互いを想い合う気持ちと、ただ儂がウォーリアを求めてしまうからにすぎぬ。ドロドロに溶けてまで混じり合いたいという、儂主体の浅はかな欲求だけだった。
肉体の生殖機能をうまく騙し、生存本能を言い訳にウォーリアを組み敷いて何度も腰を振る。なにも知らないウォーリアと……淫らな行為を何度も何度も夜な夜な繰り返す。
互いに気持ちが好いのははじめだけで、行き過ぎた行為はやがてウォーリアに甘い苦痛を生み出すことになった。それでも、儂のこの欲が果てることは……決してない。儂がウォーリアを生涯の伴侶と決めている限りはな。
そして、儂と寄り添いたいと、ウォーリアも望んでおる限りは──。
──了