2022.1/30
長期遠征に出向いていたガーランドが戻ってきた。声をかけようとするその前に、突然抱きしめられた。
強い腕の拘束に、私は身じろぎすらできないでいる。
「ウォーリア」
ガーランドは私の名を小声で何度も……何度も呼ぶ。背にまわされた腕は、痛いほど力を込めてくる。
私は気づいた。ガーランドのこの行動の意味に。振りほどかねばならないのに、意図に気づけばそれすらできずにいた。
その痛みをもっと享受していたいと思えるのは……きっと、長く会えなかった寂しさを埋めようとしてくれているのだろう。
私たちはしばらくのあいだ、互いの体温を確かめるように、抱きしめ合っていた。
Fin