2022.6/13
「珍しいな」
ウォーリアが見上げた先にあるのは真っ白な満月であった。澄み渡る天上の青のなかで煌めく月の光は、美しい空の色にも負けることはない。
「お前のようではないか」
「私……?」
ウォーリアはわからない顔をしているが、ガーランドは美しい青にひときわ輝く清廉な白が目の前にいることを知っている。凛とした月の光を携えるような輝きは、闇をも照らすまでに眩く、それでいて優しく包み込んでくれる。
「私が……そうか?」
本人が無自覚であることにガーランドは溜息を零す。
そのことを本人に教えるつもりはないが、想うことは勝手だろうとガーランドは心の中にしまい込んだ。
Fin