約束の指輪(FF1)

                2020.1/03

「ここは?」
 知らない世界の綺麗な花の咲く場所に、ウォーリアは立っていた。
 さあぁと風が吹くと、花びらが舞う。美しい風景にウォーリアが魅入っていると、いないはずのガーランドに左手をとられた。
 なにをされるのか。ウォーリアが見つめていると、ガーランドはウォーリアのグローブを外して薬指に指輪を嵌めてくる。ちゅ、甲に口づけされ、ウォーリアの頬はほんのり染まった。
「ガーランド……」
『約束の証だ。たとえ、戻る時間が異なっていたとしても、この指輪がすべてを示してくれよう』
 そう言って、ガーランドは消えていった。薬指に嵌められた銀色の指輪は、明るい陽光を反射して眩しく輝く。
──ありがとう。これがあれば、私はお前の元へ間違いなく行き着くことができる……。
 時に引き離されたとしても、この指輪が導いてくれる。それがわかり、ウォーリアは小さく囁いていた。

​                   ──了​