第六章 猛者の真実 - 1/2

                2018.2/05

 

この想いに気付いたのはいつごろからであろうか。
この想いが何なのかに気付いたのはいつごろからであろうか。
この想いに気付くべきではなかったと、何度思い返したであろうか。
気付いてしまった以上、誰にも気取られることなく日々を過ごしていかねばならぬのかと思うと……堪え難い。
報われぬ想いであるのならこのまま捨ててしまいたい、そう何度思っても捨てきれぬ己が存在する。
いっそのこと、この想いを伝えてしまえば……と頭をよぎる。だが、それだけはしてはならぬことだと儂にでも理解が出来る。

彼奴は秩序の筆頭で、儂は混沌の筆頭……宿敵という間柄でしか存在はせぬ。