2021.4/16
「ウォーリア、儂にだけその愛らしい姿を見せ続けてくれるか」
儂は目の前に立つ青年に、真意を口にしたつもりであった。だが、青年は唇を震わせて、眼を丸くしておった。儂に言われること自体が信じられぬといった様子を見せておる。
「〜〜〜〜っ⁉ 私に〝可愛い〟などと言う酔狂はおまえくらいだ」
少し頬を朱らめて、照れておるのか減らず口を叩くその姿も愛らしいと思うのだが。それを紡げば、目の前の青年は耳まで朱く染めていった。
「ならば。お前は秩序の小童どもに同じことを言われても、同様に頬を赤らめるのか?」
「〜〜っ、」
言葉に詰まって困った顔を見せるその姿も、とても愛い。あまりからかうとまたへそを曲げてしまうので、ここまでにしておいてやるか。
微細な感情変化が見られるから、たまにはこうして言葉で伝えてやるのも良いのかもしれぬな。
──酔狂などでは決してなく、儂の本心であることに……いつ気づくのか。これもまた、愉しみではあるが。
──了