2021.4/18
「……すごいな」
昼過ぎから降りだした雨は夜になるころに冷たい雨へと変化した。それだけではなく、雷まで連れてきた。
「この季節に珍しい」
ウォーリアは暖かな部屋の中から窓の外を見て、轟く雷鳴にびくりと身を竦ませた。近くに落ちるかもしれない雷光を眼にし、今夜は冷えるだろうと考える。
最近は暖かくなってきたこともあり、薄手の掛布に変えたところだった。しかし、この冷たい雨の影響で、今宵は冷え込むだろう。それに、この雷光と雷鳴では、眠れるかわからない。
「雷が怖いのか?」
「そうではない」
雷が怖いわけではない。ウォーリアが心配するのは別のことだった。しまい込んだ厚手の掛布をもう一度出してくるか。考えていると、肩にガーランドの熱を感じた。
「……ガーランド?」
肩越しに振り返ると、ガーランドは自身の寝着の上着をウォーリアにかけてくれている。びっくりして眼を丸くしたが、上着からほのかに感じるガーランドの熱に、ウォーリアは眼を細めた。
「温かいな」
「風邪を引かれては困るからな……来い」
「……」
ガーランドに連れられて、ウォーリアは寝所へと向かう。ガーランドはその身をもって暖めてくれるのだと……寒くないように躰を合わせるのだと。これだけで、ウォーリアは身が火照るように温まっていくのを感じた。
──了