第一章 勇者の秘密事 - 1/2

                 2018.1/20

 

この想いに気付いたのはいつだっただろうか。
この想いが何なのかに気付いたのはいつだっただろうか。
この想いに気付くべきではなかったと、何度思い返しただろうか。
気付いてしまった以上、誰にも気付かれることなく日々を過ごしていかなければならないことが……少し辛い。
この想いに蓋をしてしまおうと何度思っても、その度に胸が痛くなる。誰かに相談することも出来ないまま、溜息ばかりをはきだしてしまう。
いっそのこと、この想いを伝えてしまえば……何度も頭によぎる。だが、それだけはしてはいけないことだと、私でも分かる。

私は秩序の筆頭で、彼は……混沌の筆頭なのだから──。