2020.1/20
ガーランドと最後の戦いを終え、とうとう終止符を打つことができた。ガーランドは今際の際にひと言だけ洩らしていた。
『ずっと、愛しておった──』
ガーランドの躰が完全に消えてから、私は言葉の意味を反芻した。そして、ようやく気付くことになる。
今ごろ……どうして私に伝えてきた? 私は知りたくなかった。ここにきて、この状況で言われても、嬉しくもない。悲しみだけが残されてしまう。
「ガーランド……、私だって、お前のことを」
この戦いの結末がこうなってしまうなら、意地の悪いお前がそれを望んだのなら、私は探求の旅に出る。
次は私がガーランドを探して、私が伝える。意地の悪いお前に、私から心を込めて。
『私も愛している』──と。
きっと、通じ合える。そのように私は願い、均衡の崩れだした世界をあとにした。目指すはガーランドのいる、光に満ち溢れた世界──。
──了