寒さのせいにして(FF1)

                 2020.1/02

 風が冷たい夜の街道を、ガーランドとふたりで歩く。
「うっ」
 冷たい風が頬を刺す。青年は思わずガーランドの肩に顔を埋めた。頭上からは嗤い声が聞こえる。
 青年は無言で顔を埋めたままでいた。これは寒さだけのせいではない。だが、青年は寒さのせいにした。そうでないと、こうはできないから──。