伝えさせない(DFF)

                2019.12/22

「ガーランド、お前を」
「迷いでも生じたか?」
 猛者は勇者を見下ろした。揺らぐことなく見据えてくる氷色の虹彩に迷いは見られない。
「そうではない。ただ、私は」
 ふん、猛者は鼻で嗤う。どのように考えようと、伝えてこようとこの勝負はついていた。
「終わりだ」
 猛者は勇者の躰に剣を──。