冬の夜桜(FF1)

               2020.1/02

「冬に桜が」
「狂い咲きというものだな」
 珍しいと驚く私の隣で、ガーランドも荘厳な夜桜に魅入っていた。
 時期外れの桜が咲いたと聞き、遅い時間にふたりで出た。桜を見る私の耳許で、ガーランドは囁いてくる。
「夜のお前もこのように狂い咲くがな」
 理解した私の頬は、桜のように朱く色づいた。