捕まえたいのに(DFF)

                 2019.5/04

「捕まえた」
 そう、思ってもお前は先に行ってしまう。
「待ってほしい」
 何度も紡ぐ私の声すら届かない。その背中に手を伸ばすのは、いつだって私のほう……。
 けれど、お前は待っていてくれる。あの世界で、私の手を繋ぐために。だから私は急いで向かおう。眼が眩むほど光り輝くあの世界に──。